エコトーン

どうも、uzumakiです。
今日は「エコトーン」ついて話そうと思います。まあ堅苦しい話ですし、つまらない話かもしれませんので、暇な時に読んでくれたら幸いです。それから海水魚ネタではないです。


icon-paperclip エコトーンとは?


まず、エコトーンという言葉は、あまり馴染みのない言葉かと思います。エコトーンというのは、二つの生態系の境界、もしくはそれが移り変わる移行帯のことです。生態系は多種多様な生物から成り立っています。例えば、海洋生態系淡水生態系草原生態系などがあります。これらの生態系どうしの重なる境界こそがエコトーンなのです。エコトーンの代表的な例として、ヨシ原やマングローブなどをイメージすると、わかりやすいと思います。今日ではこのエコトーンが徐々に注目され始めてきました。しかし、一口にエコトーンと言っても種類は千差万別、多種多様です。そこで、僕が注目したのは、淡水生態系と陸上生態系のエコトーンです。つまり、水面下の世界と陸上の世界とが、ちょうど交わる境界です。それを鑑賞するために室内に持ち込まれたものがアクアテラリウムと現在では、そう呼ばれています。以下は淡水生態系と陸上生態系のエコトーンを例にとって、重要性を述べていきます。下の写真ではちょうど、川岸のススキなどが生える部分がエコトーンにあたります。

写真 (1)

写真 2

写真 1

(このような川のエコトーンには様々な植生がひろがっている)

 


icon-paperclip 重要性


ではなぜ、エコトーンが重要なのかというと、ずばりその、自然濾過能力とそこに生息する特有の生態系にあります。自然濾過能力、つまり汚れを吸収する能力があるのです。時には有害物質さえも吸着します。そもそも、汚れの原因となる物質は栄養塩類が主です。しかし、この栄養塩類というのは、植物の栄養なのです。つまり、多すぎても良くない、かと言って少なすぎると植物が育たないのです。多すぎる例が、アオコの発生したため池。少なすぎる例が、色落ちしてしまった養殖ノリ。どちらも、植物の成長に必要なリンが関係しています。話が横道にそれてしまいました。エコトーンには特有の植物、そして土壌が形成されています。植物は淡水生態系の生成物、つまり栄養塩類を使って成長しています。また土壌には好気層と嫌気層に、それぞれのバクテリアが住み着き、栄養塩類を分解し、最終的に窒素として空気中に放出します。つまり、エコトーンは適度に汚れを吸収、分解してくれる、いわば天然の濾過器なのです。

エコトーンというのは、自然濾過能力を持つだけでなく、特有の生態系が存在し、このエコトーンを好んで生活の場、産卵の場とする生き物がたくさんいます。みなさんもよく知っているホタルは夏になると川から幼虫から羽化して、成虫になり、我々の目を楽しませてくれます。しかし、どうでしょう。コンクリートで護岸された川にホタルはいますか?おそらく、答えはno.でしょう。一見、コンクリートで護岸されている川は綺麗に見える?かもしれませんが、その川にも一定の生物種はいるものの、大抵、汚れや水の流れに強い生き物でしょう。また外来種もいるかもしれません。コンクリートで護岸された川に、それほど生き物がいないのは、エコトーンが貧弱であるからなのです。この場合、エコトーンと呼ばれる境界にはコンクリートに少しのコケと少しの雑草しかありません。これだと、本来あるエコトーンの機能が損なわれてしまっているのです。そのような川には特有の生態系もなければ、汚れを吸収するものもないのです。そして、エコトーンのない川は魅力的ではないのです。僕がアクアテラリウムを好きなのは、このエコトーンを間近で観察でき、そこで生活を営む生物に魅力を感じるからなのかもしれません。

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このアクアテラリウムは濾材などは、ありません。水を組み上げるためのポンプをつけ、ただ木の上の方から水を流しているだけなのです。それでいて、たった20リットルあるかないかの、水の中で小さな魚を20匹ほど泳がせることができ、しかも産卵までしている。たった2〜3株だった、小さな小さな植物の苗は魚が出した、排泄物と残した餌を丁寧に汲み取り、今では驚くほどの成長を遂げている。それはエコトーンが持つ自然濾過能力と特有の生態系ゆえの素晴らしさ、そして本来あるべき姿なのだと思います。

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 icon-paperclip 最後に


もう一つ伝えたいことがあります。エコトーンはニンゲンの生活を豊かで安全にするものだけでなく、多種多様なエコトーンに特化した生物がいます。それを破壊することは、同時にニンゲンの生活だけでなく、貴重な生物種を奪うことになるのです。

以上、最後まで読んで下さり、大変ありがとうございました。

参考文献
日高敏隆 「水と生命の生態学」水に生きる生物の多様な姿を追う

 

 

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uzumaki

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サンゴ礁域に生息する生物が好きで、海水魚水槽の維持から自家採集、研究まで色んな事をやっています。 魚類学者を目指しています。 (魚類生態学・魚類生理学)
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